診療事業・診療のご案内
診療科目について
末梢血管再生療法・患者さん、一般の方へのお知らせ
はじめに
先端医療振興財団先端医療センターおよび神戸市立中央市民病院では、2003年11月から血管再生治療の臨床試験を開始しました。 対象となる患者さんは、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)あるいはバージャー病という病気のために下肢(ふくらはぎや足の裏)に痛みがあったり、足の指などに潰瘍(かいよう)や壊死(えし)ができた方々です。 このような病気は、下肢の筋肉や皮膚を栄養する血管が狭くなったり、詰まってしまうことによって発症します。 これまでの医療でも、1)お薬による内科治療、2)バルーンカテーテルによる狭い部分の拡張術やステント留置術、3)外科的なバイパス手術などが行われており、一定の効果が証明されています。しかし、これら従来の治療を受けても病状が改善しない、あるいは従来の治療を施行できないくらい重症の患者さんのなかには、下肢を切断するしか命を救う手だてがない場合もあります。先端医療センターおよび神戸市立中央市民病院では、従来の方法では治療できない重症の患者さんに対する新しい治療法として、自家末梢血血管内皮前駆細胞(じかまっしょうけつけっかんないひぜんくさいぼう)(血管の幹細胞)移植による血管再生治療が役立つかどうかを調べる臨床試験を行っています。
対象疾患
慢性重症下肢虚血(まんせいじゅうしょうかしきょけつ)(慢性(まんせい)閉塞性(へいそくせい)動脈(どうみゃく)硬化症(こうかしょう)・バージャー病
1.自家末梢血血管内皮前駆細胞(CD34陽性細胞)移植による血管再生治療とはどのような治療でしょうか?
血管内皮前駆細胞(血管の幹細胞(かんさいぼう))は、骨髄や血液中に存在する未分化な細胞で、血管の閉塞した臓器や組織に移植されると血管を形成する能力があります。この細胞はひとの血液中にCD34陽性細胞として存在することが分かってきました。これまでの動物実験で、ヒトの血管の幹細胞を血管の閉塞したマウスの下肢に筋肉注射(細胞移植)することによって、新しい血管がつくりだされ(これを血管再生と呼んでいます)、血流が改善することが示されています。また、下肢以外の臓器(心臓)についても、血流が改善し、臓器機能が改善することが動物実験で示されています。
この臨床研究でおこなわれるのは、患者さんの血液から採りだした血管の幹細胞を血管の閉塞した下肢の筋肉に注射することにより、新しい血管をつくりだすことを目的とした治療(血管再生治療)です。閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)・バージャー病の患者さんに対するこの治療法の効果はまだ確立されていませんが、数多くの動物実験で効果が報告されており、新しく作られた血管が、下肢の筋肉の壊死が進行するのを予防したり、下肢の切断を予防したりする効果があることがわかっています(図1参照)。
[図1:虚血部位への血管幹細胞移植による血管再生療法]
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2.この臨床試験はどのように行われるのでしょうか?
治療の方法は、治療の準備段階としての1)患者さんの血液から血管の幹細胞を採り出す処置と、治療のための2)患者さんの下肢の筋肉に細胞を注入する処置の二つに大きく分けることができます。
血液から血管の幹細胞を採り出す処置
血管の幹細胞は、通常は骨髄にあり、血液中にはごく少数しか存在していません。そこで、治療に必要な数の細胞を血液から得るために、骨髄にある幹細胞を血液中に送り出す効果のあるお薬、顆粒球(かりゅうきゅう)コロニー刺激因子製剤(G-CSF製剤)を4〜5日間皮下注射します。さらに効率よく細胞を採り出すため、注射終了日に静脈から血液中の必要な成分を血液成分分離装置という機械を使ってとりだします(この処置は、アフェレーシスと呼ばれており、単核球(たんかくきゅう)という成分をとりだし、それ以外の大部分の血液成分をからだの中に戻します)。アフェレーシスで採り出した単核球には血管の幹細胞だけではなく、他の種類の細胞も含まれています。そこで採りだした単核球細胞を磁気細胞分離装置という機械にいれて、血管の幹細胞のみを抽出します(図2参照)。
[図2:本臨床研究における細胞の採取方法と移植方法]
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下肢の筋肉に細胞を注入する処置
以上のような方法で抽出された幹細胞を下肢の筋肉内に注射します。細胞を筋肉に注入する際は、下肢の筋肉に細い針で注射いたしますので外科手術や全身麻酔を受ける必要はありませんが、痛みを和らげるために腰椎麻酔を行います。
3.連絡先・相談窓口について
先端医療センターおよび神戸市立中央市民病院では、以上のような血管再生治療の臨床試験へ参加していただける患者さんを募集しています。本臨床試験に参加していただく患者さんの数は15名を予定しています。治療内容についてもっと詳しく知りたい方や治療を受けることを希望される方は、まず現在おかかりの主治医の先生にご相談いただき、紹介状をご持参のうえ、先端医療センターをご受診下さい。血管再生治療に関する外来診察は、月曜日と木曜日の午前に行っています。受診に先立って、お電話で診察予約をお取り下さいますようお願い致します。
連絡先・相談窓口
先端医療センター
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2丁目2番
TEL:078-304-5200 FAX:078-304-5990 E-MAIL: office@fbri.org
お問い合せ受付時間:月曜日〜金曜日 9時〜17時
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