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先端医療センター

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放射能治療及び関連する研究

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医療機器の研究開発

放射能治療及び関連する研究
(1)CT-リニアックを用いた臨床研究

リニアック(電子線直線型加速器)は、電子を加速することによって高エネルギーのX線を発生させがんなどに照射する放射線治療装置です。2つ以上の方向からX線を照射し病変部でこれらが重なり合うようにすると、そこに高い放射線量があたるので、まわりを傷つけずにがんを治療することができます。そのために、まずX線CTを撮影してがんの位置を確認し、どの方向からどのようにあてればどこにどれだけ放射線があたるかをコンピュータで計算します。これを治療計画といいます。 そして、治療計画に基づいて、実際にリニアックで照射します。一般の病院では、X線CTとリニアックは別々の部屋に設置されているので、患者の移動が避けられず、がんの位置を正確に再現できないという問題がありました。そこで、X線CTとリニアックを結合したCT‐リニアック装置が開発されました。先端医療センターでは日本でまだ数少ないこのCT‐リニアックを設置し、前立腺癌や肺癌などに対する高精度の放射線治療を行っています(放射線治療のご案内)。

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がんの治療は種類や進行の程度に応じた治療のガイドラインに沿って行われるのが普通です。放射線治療は、以前は精度が悪かったこともあって成績がよくなく、そのためがん治療の選択肢としてはあまり重視されませんでした。CT-リニアックで高精度の照射を行えばより有効な結果が得られることが期待され、しかも放射線治療は手術よりも侵襲が少ないので、今後のがん治療法として大いに期待されます。先端医療センターでは研究成果を実証データとして提示し、放射線治療をより有効でしかも患者様にやさしいがん治療法として確立するための研究を進めています。

また、メーカーとの共同研究を通じてさらに高精度の動態追尾照射を可能にする新しいリニアック装置の臨床開発研究も行っています。

(a)定位放射線治療(stereotactic radiotherapy)

リニアックのビームを絞って、しかもいろいろな方向からあてることによって、がんにいわばピンポイントで強い放射線を当てる方法です。先端医療センターでは定位放射線治療を肺や脳のがんに対して実施しています。

(b)強度変調放射線治療(IMRT、intensity modulated radiotherapy)

リニアックの照射口は通常四角い形をしていますが、実際のがん組織は凹凸のある複雑な形をしているのが普通なので、四角い照射口ではどうしても周囲の正常部に強い放射線が当たってしまいます。そこで、コンピュータに複雑な計算を行わせ、病変部位の三次元形状に合わせて、リニアックの照射口の形状を自在に変えるとともに照射の強度や方向を調節することにより、がんの形に添って強い放射線量があたるがすぐ近くの正常部にはあまりあたらないようにする技術が開発されました。このIMRT法は、例えば前立腺がんのように、近くに放射線感受性の高い部位(直腸粘膜)があるがんの治療に有効です。現在、先端医療センターではIMRTを使った前立腺がんの治療効果を長期間フォローし、再発がないかどうかを調べるなどの評価を行っています。

[7つの照射口における強度分布(左)、X線CT画像上に描いた線量分布図]
写真
<図の説明>
リニアックを用いて、7つの方向から前立腺に放射線を照射する。このとき、照射口に取り付けられたコリメータを調節することによって、不整形の照射口でしかも強度に濃淡のあるような照射を行う。その結果、7つの方向からの放射線の線量を合わせると、くぼみのある前立腺の形に沿って強い線量が当たりしかもすぐ後ろの直腸にはあまり当たらないように設定できる。コンピュータで計算した線量分布図で、それが確認される。
(2)新しいリニアック装置の開発

先端医療センターでは、三菱重工業株式会社とともに、患者に大きな負担をかけることなく、がん治療に威力を発揮する、次世代の放射線治療装置の開発を進めています。平成16年11月に、プロトタイプ機を先端医療センターの医療機器研究開発棟に設置しました。今後は各種試験を通じて装置の開発を進めていく計画です。
この治療装置は、X線を発生させる加速管を水平・垂直方向に自由に動かすことができるジンバル機能を備えた小型加速管ヘッド部と、X線透視装置とを組み合わせ、放射線のがん患部への正確な集中照射を効率よく行えるようにしたのが特徴です。さらに、呼吸などで動くがん患部の動きをリアルタイムで監視・追尾し、狙った病巣のみをピンポイントで狙い撃ちできる世界で初めての動体追尾機能の実用化に向けて開発を進める予定です。

[新型放射線治療装置の全景(開発機)]
写真

加速管には、三菱重工が高エネルギー加速器研究機構(KEK)や理化学研究所(理研)と共同で開発を手掛けた高効率加速システムを応用し、従来のものと比べ長さが3分の1となるCバンド小型加速管を医療用として世界ではじめて採用しました。さらに、小型加速管の首振りヘッドが、呼吸などの影響で揺れ動く体内のがん患部を常に追尾し、狙った患部のみを正確かつ集中的に照射する動体追尾機能の開発についても、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基盤技術研究促進事業制度の適用を受け、京都大学医学部と連携して現在実用化研究を進めています。

[新型Cバンド加速管]
写真

がん患者の高齢化時代を迎え、侵襲の少ない、患者への身体的負担の少ない治療法として放射線の役割がますます大きくなり、がん患者のうち約4人に1人が放射線治療を受ける時代となりました。一方で、放射線治療の専門医が不足がちで、一部の病院ではすでに現在、放射線治療を受けたくても順番待ちで受けられないといった状況も生じています。この装置が将来最終的に完成したあかつきには、これまで1回あたり10分程度かかっていた患者の位置決めを3分以内に完了することができると予想されることから、治療効率を高め、制約要因の緩和に役立つものと期待されます。 三菱重工は、今後、病院内での実用実験を通して商業用モデルの開発・製作を進め、厚生労働省への薬事承認手続きを経て、2005年度中に医療機器市場への本格参入を目指しています。現在、治療装置メーカーは全て海外勢となり、国内病院の装置は全て輸入に頼っています。国内医療機器メーカーの活性化の観点からも、日本発の新たな治療装置を世に生み出す意義は大きく、薬事承認手続きも含め早期商品化が期待されます。

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