Foundation for Biomedical Research and Innovation
先端医療センター研究所
医薬品開発研究グループ
急速な老齢化、労働人口の減少、老人医療費の増加、さらには少子化。日本は、そして日本人は、大きな岐路に立たされています。国民、とりわけ高齢者が精神的にも肉体的にも健康を保持し、生産的な生活を送ることを可能とする「Productive aging(健康老化)の実現」を目指して研究を進めています。

我々の体は、その生理機能、活動性を維持し、健康を保持する優れた仕組みをもっています。
ところが、加齢に伴い体の機能、活動性が衰えます。また、ガン、糖尿病、アルツハイマー病、動脈硬化など、多様な疾患に罹りやすくなります。Productive agingを実現するためには、老化を遅らせ、これらの疾患に罹らないようにしなければなりません。私たちの研究グループでは、
Productive agingの実現を目指して以下の研究を行っています。

1.健康を保持する仕組みの解明
ミネラル、脂質、糖・エネルギー代謝を正常に保つことは健康の保持にとって極めて重要であり、その機能低下は老化、加齢疾患の発症に深く関わっています。我々が発見したクロトー遺伝子群(生命の糸を紡ぐ女神の名前です)はミネラル、脂質、糖・エネルギー代謝を制御する重要な因子であり、その機能解明を進めることによって体の機能を正常に保つ仕組みを研究しています。また、製薬企業と協力してその成果を薬剤開発に結びつける研究を進めています。

2.アルツハイマー病治療法の開発
アルツハイマー病は認知症をもたらす代表的な疾患です。その病気の理解、治療法の開発はたち遅れていましたが、最近の我々の研究により病気の原因についての理解が大きく進展し、治療法開発の道が開けてきました。政府の開発資金、製薬企業の支援を得てこの基礎研究の成果を治療法開発に結びつける「橋渡し研究」に取り組んでいます。

 
グループリーダー 
鍋島 陽一(なべしま・よういち)

新潟大学医学部卒業、新潟大学医学部助手(生化学)、
厚生省国立・精神神経センター 神経研究所遺伝子工学研究部長などを 経て、京都大学大学院医学研究科教授、京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット長等に就任、 2010 年 4 月より現職