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幹細胞は、ある細胞に変化するようにという指示を受けると特定の細胞に変身、すなわち分化する能力を持っています。また、変化を遂げる前の未分化の状態で長期間にわたって自らを複製、再生する能力も備えています(右図)。胚からは胚性幹細胞(ES細胞)、成人からは成体幹細胞、胎児からは胚生殖細胞を採り出すことができます。 |
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| ES細胞は、受精卵が分化して胎児に発展するまでの状態である胚の初期段階から採り出されるもので、身体のどのような細胞にも成長できる性質を持っているため多能性幹細胞とも呼ばれています。ES細胞は、受精後5、6日目の胚盤胞の内層細胞(内部塊細胞)から取り出して培養されます(図:「胚幹細胞の生体外での培養法」)。人体から採り出される成体幹細胞と違い培養によって実験室において無限に増殖させることができ、かつ、どのような細胞にも変化できる万能性を持つことから、事故や病気によって機能を損なわれた細胞や組織、臓器などに取って代わるための各種細胞を作り出すことのできる"素材"として大いに研究に活用されることが期待されています。理論上では、ES細胞から分化させた細胞に遺伝子治療の技術を用いて免疫関係の遺伝子を入れ替えたり、患者の遺伝情報を持つ胚を作り、そこからES細胞を採り出して目的の細胞に誘導したりすることによって、拒絶反応を起こさずに臓器を移植する道も考えられます。 |
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成体幹細胞とは体の中にすでにかたちづくられた組織の中から採り出される分化する前の状態の細胞をいいます。組織内には、その組織における特定の働きを担う、すでに分化を終えた細胞が多数存在しているのですが、中にはそうした特定の働きを持つ細胞へと分化する前の未分化細胞、すなわち幹細胞が混じって存在しています。成体幹細胞は、自らと同じ細胞を複製し、製造する能力を持つとともに、分化によって、それが存在していた組織内のあらゆる個別細胞を作り出すことができます。
特定の組織に分化することがわかっているためにすでに多くの治療に生かされ、白血病などの治療に必要な骨髄移植に用いられる骨髄幹細胞などが代表的な例といえるでしょう。
成体幹細胞は、骨髄や血液、目の角膜や網膜、肝臓、皮膚などで見つかっており、最近では、脳や心臓など、従来は幹細胞が存在しないのではと思われていた場所でも確認されています。また、骨髄の中にある間葉幹細胞と呼ばれる幹細胞は、自らがいた組織の細胞である骨髄細胞だけでなく、筋肉細胞や骨細胞など他の種類の細胞へも分化することが可能であることも明らかになっています。
それだけ目指す細胞を作るチャンスが増えてきたわけです。自らの体から採り出した成体幹細胞の治療への活用は免疫的な拒絶反応の問題を心配する必要がなく、ES細胞を活用するときのように拒絶反応を起こさせないための操作が不要なため、現実的な治療の方法として活躍の場が広がることになるでしょう。
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| |||3.幹細胞とは||| |
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