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| ES細胞は1983年、マウスで初めて試験管内で増殖できる細胞株として確立しました。95年、米国・ウィスコンシン大学のトムソン教授らがアカゲザルからES細胞を作ったことによってヒトのES細胞作製が可能性として語られるようになり、98年に同じくトムソン教授がヒトの胚からES細胞を取り出したことを発表しました(「ES細胞年表」へ)。それ以降、ES細胞の基礎研究とともに、ES細胞を利用した再生医療につなげるための応用研究が盛んに取り組まれています。
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現在、ES細胞を利用した再生医療として研究が最も進んでいる分野の一つは、脳の神経伝達物質であるドーパミンを作り出す神経細胞に誘導する研究で、これはパーキンソン病の治療に役立てられようとしています。パーキンソン病はドーパミンの分泌が不足することによって運動障害などを引き起こす病気ですが、ドーパミンを生み出す神経細胞(下図)は老化によっても減少していくため高齢者では非常に高い率で患者が存在しているといわれています。すでにヒトES細胞に近いサルのES細胞から非常に高い確率でドーパミンを作る細胞に変化させる研究が報告されており、近い将来、治療への道が開かれそうです(「ヒトES細胞作製に向け準備整う」)。
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また、インシュリンを作り出す細胞へと導く研究も進んでいます。インシュリンはすい臓のランゲルハンス島から分泌される物質で(右図)、血液中の糖の量を少なくする機能を持っており、この機能が低下すると糖尿病を引き起こします。現状の治療法としてはインシュリンを投与することで制御が行われていますが、インシュリンを作る細胞を移植することができるようになれば自動的に血糖値を正常にしておく機能を取り戻せることになり、糖尿病の治療もしくは、そこから進行して発生する合併症を防ぐことにもつながります(「ヒトES細胞作製に向け準備整う」)。
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現状ではこれら細胞レベルまでの誘導は他の領域でも進んでいますが、組織や器官を作り出すまでには、そのような構造にするための足場作りや複雑な機能を持たせるための研究が必要なため、治療にまでたどり着くにはまだかなりの時間がかかりそうです。
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|1.はじめに|2.胚から作り出されるES細胞|3.多能性と自己複製能力|
|4.進む治療への応用研究|5.研究における課題|6.研究推進に必要な社会との対話| |
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