成体幹細胞

 再生の仕組みはどうなっているのでしょうか?分化してしまった細胞は、分化前の状態にはもどれないはずです。

 じつは、体には、分化しきっていない細胞 - 未分化な細胞 - が待機しています。未分化な細胞のことを幹細胞と言います。とくに、完成した体(成体)の中にあるものは、成体幹細胞と呼ばれます。成体幹細胞は、体のさまざまな部分に点在しており、造血幹細胞や神経幹細胞、上皮幹細胞、色素幹細胞などがあります。成体幹細胞は、モノとの接触でけずりとられた細胞や古くなって捨てられた細胞、ケガや病気でなくなった細胞などを補給しています。

 補給用の細胞をつくるとき、成体幹細胞は分裂し、できた一方だけを補給用にします。もう一方はそのまま残るので、成体幹細胞がなくなることはありません。ずっと、自分自身を、そして補給用の細胞をつくりつづけます。自分自身をつくり続けられること(自己複製能があると言います)、それが幹細胞である条件の一つです。


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 幹細胞の名は、樹木の「幹」にあたるような細胞というところから付けられました。「葉」にあたるのは、分化を終えたさまざまな体細胞です。そして、幹の付け根にあるのは受精卵です。受精卵は、葉にあたるすべての体細胞になる能力をもっています。細胞は、幹から枝へ、そして葉へと枝分かれしながら(分裂して増えながら)、分化していくのです。樹木の根もとに近い(幹や枝の太いところにある)細胞ほど、いろいろな細胞に分化できる可能性を多くもっていることがわかりますね。

 体は、基本的には、葉にあたる細胞(分化し終えた体細胞)からできており、幹や枝にあたる細胞は、発生過程でしかみられません。しかし、そんな中、成体幹細胞だけは未分化なまま存在し、再生や新陳代謝を支えています。成体幹細胞があるおかげで、細胞が入れかわっても、体は同じ形をしていられると言えるでしょう。


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