全能性と多能性

 成体幹細胞は、いくつかの限られた細胞にしかなれません。そのため、ヒトにはプラナリアのような再生能力はありません。プラナリアの幹細胞は特別で、体のすべての細胞になれる能力 - 全能性 - があるので、非常に小さな断片からでも1個体を再生できるのです。ヒトの細胞でこのような全能性をもっているのは、受精卵だけです。成体幹細胞がもっているような、いくつかの細胞になることのできる能力は、多能性と呼ばれます。

 成体幹細胞は、どうして未分化なままでいられるのでしょうか?成体幹細胞をとりまくまわりの細胞が、特別な居場所をつくってあげているのでしょうか?
このような居場所を幹細胞ニッチと言い、現在研究が進められています。ニッチとは、あるものが安定していつづけられる、ぴったりくる場所を指します。「腸内細菌は、ヒトの腸内というニッチを獲得した」というような言い方をします。


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