ゲノムインプリンティング

 体細胞クローンの成功は大きな話題になったのですが、まだまだたくさんの課題を抱えています。一つは、成功率の低さ(1〜2%ほど)です。今のところ、100回実験しても、1回か2回しか成功しません。これには、先ほど述べた初期化がうまくいったか、いかなかったかということも関係しているようです。

 じつは、ほ乳類のクローンが成功するためには、ゲノムが完全に初期化されてしまってはまずいということがあります。
ここに生殖細胞(精子や卵子)のもとになる細胞(始原生殖細胞)があるとしましょう。この細胞のゲノムはまず初期化されます。これで終わりだと話は簡単なのですが、ほ乳類の場合にはこれで終わりにはなりません。この後、生殖細胞ができるまでの間に、いくつかのとくべつな遺伝子に「カギ」がかけられるのです。これをゲノムインプリンティング(ゲノム刷り込み)と言います。


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 インプリンティング(刷り込み)とは、発生や誕生の初期の時点で一生残る刻印を押すこと、というような意味です。したがって、ゲノムインプリンティングは、発生の初期にゲノムにつけられた、生涯にわたって残る印(記憶)と考えるとわかりやすいと思います。ただし、正確には、発生の初期ではなく、生殖細胞の誕生時ということになります。