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前回の短信(短信1)では、高校生の理科離れを防ぐためのドイツでの試みを伝えるNature誌8月15日号のnewsをかいつまんで紹介しました。高校の理科の授業をある国立研究所内での講義と実習に置き換えたというもので、ドイツでは初めての画期的な試みであると報じていました。 |
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約1ヵ月後の同誌9月19日号が、「未来の科学者のために夏休みを有効活用すべし」というタイトルの巻頭論説(opinion)を載せていましたので、今回はそれを紹介します。サブタイトルは「親は夏休みを利用して子供を科学に浸らせるべきである。大学はこれに手を差し伸べ、科学の将来を明るくすることができる」というもので、大学の理系学部は科学に興味を抱いている高校生に門戸を開き、特に夏休みを利用して研究室に招き入れ、最先端の研究活動に触れる機会をあたえるべきであると提言しています。 |
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論説は、科学に関心のある有能な高校生であっても、収入が多くて経済的に恵まれている弁護士や会計士などに心を惹かれるかもしれないと書き出し、そういう高校生の科学への興味を刺激し、大学で理系の学問を専攻する決心を促すには夏休みは最適の機会だという観点から、アメリカの各地で大学や国立研究所が高校生を対象に実施している夏期キャンプに触れています。 こういったものは、インターネットの検索サイトGoogleで調べることができ、例えば、NASAがアラバマ州で毎夏開いているスペースキャンプでは、「参加者は仮想スペースシャトルでの飛行訓練を受けられる」。この例に見られるように、アメリカの大学や国立研究所は科学に興味のある高校生の心を捉えようと積極的に手を差し伸べています。しかし、「アメリカ以外の国の動きが見えてこない。にもかかわらず世界中で、大学の理系学部の扉をノックする若者の数が少なすぎるとの悲鳴がこだましている。米国以外の大学は、若者の心を捉えるためにもっともっと努力すべきである」。 |
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夏休みは研究者にとって貴重な研究の機会であり、それを本来の研究目的以外のために割くことをいやがるが、今となっては高校生の理科離れを防ぐにはそんなのんきなことはいっておれないと論説は危機感をあおっています。高校生を対象に研究室を開放する「オープンデー」や、ポストドクが高校や博物館で高校生を指導する公開プログラムが既にいくつも実施されてはいるが、「若者を理系学部の講義や研究活動に深くかかわらせることにより、その科学的関心を大きく刺激できることを理解している大学がまだあまりにも少ない」。 |
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昨今の日本のマスコミには現実を嘆き、将来を悲観するだけの記事があふれていますが、Natureのopinionはそうではありません。きちんと具体的な提言をしています。例えば、「高校の上級生を1週間程度大学の"客員学生"として招き、研究の最先端に触れさせるとともに、大学で受けられる多様な教育と訓練を実地に経験させるべきである」。そのうえで、「特別な才能や素質が見られる高校生には、夏休み中の数週間を大学の研究室で学生やポストドクの助手として手伝う機会をあたえるべきである。学生やポストドクにとっては単調で退屈な仕事であっても、高校生はそれを通じて科学の世界を垣間見ることができ、さらに深くその世界に踏み入れるきっかけとなる」。 |
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このように現実を直視し、将来を見据えた取り組みを実現できる大学は、「先見の明のある大学」であり、その新たな試みを、「インターネット上で検索しやすい形で公開」すれば、科学に興味を抱いている子供を持つ親も安心して息子、娘をその方向に押し出すことができると結んでいます。 |
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ちなみに、この論説のキーワードは「人の心を捉える(seize one's
soul)」です。 |
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