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昨年末にスイスに本拠を置くラエリアン教団(the Raelian sect)と呼ばれる新興宗教団体がクローンベビーを誕生させたと記者発表し、世界中のマスコミでトップニュース扱いで報じられました。その間の経緯と今後の問題点については短信11で詳しくお伝えしました。 |
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ところで、イタリアの不妊治療医セベリノ・アンチノリ(Severino
Antinori)医師とラエイリアン教団は、かなり以前からクローン人間を誕生させるとほぼ一方的に記者発表を繰り返してきました。ラエリアン教団側の記者発表でよく姿を見かけるのが、ブリジット・ボワセリエ(Brigitte
Boisselier)という名のフランス人女性です。新聞記事などではボワセリエ医師とかボワセリエ博士とか書かれていますが、どのような人物であるのかその素顔はこれまで判然としませんでした。 |
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ところが、Science誌1月17日号が「二つの博士号を持つクローンの女王(Clone
Queen Has Two Ph.D.s)」と題する短い記事で、いま世界的な脚光を浴びているこの「謎の女性」の素顔に迫っています。といっても、本筋の本人取材は不可能で、周辺取材を通じてしか情報を収集できないようで、その「全貌」を明らかにするまでには至っていません。それでも知られざる人物の一端が、この記事からかいま見えてきます。 |
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Science誌の記事によれば、48歳のボワセリエ女史はフランスの大学とアメリカの大学で別々に化学の博士号を取得しています。フランスの方はディジョン大学で、ディジョン(Dijon
)は東部フランスでリヨンの北方にある地方産業都市です。アメリカでは、テキサス大学で博士号を取得しています。卒業後は大学で研究に従事したこともあり、1980年代中頃に血液中のヘモグロビンを構成するポルフィリンという物質に関する研究で論文の指導をしたヒューストン大学の分析化学の教授は、「ボワセリエは、まじめで優れた学生であった」と証言しています。 |
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ボワセリエ女史はその後フランスに戻り、エア・リキード(Air Liquide)という(おそらく実験・研究用の)各種充填ガスを製造する会社に就職し、研究主任となります。ところが1993年頃にはラエリアン教団に出会い、地球上の人間はクローン人間として宇宙人によって作られたとする教義に傾倒して行ったようです。
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その後、ラエリアン教団に参加するために、カナダのケベックに移り、1999年からニューヨーク州の東北端のプラッツバーグ(Plattsburgh)にあるニューヨーク州立大学に化学の講師として通い始めます。そこでの勤務成績が優れていたので常勤の正職員として採用される直前まで話が進んでいたようです。Science誌の記事は、「ボワセリエは、当校で化学を講義したが、教え方が非常に上手であった」という学長のことばを載せていますが、正教師としての採用話がなぜ最終的に破談になったのかはについては何も言及していません。
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ボワセリエ女史は、翌年の2000年にはニューヨーク州立大学の近くのハミルトン・カレッジに(おそらく講師として)移ったのですが、ここでラエリアン教団との深い関係が明るみに出で辞職したようです。その後まもなくラエリアン教団の運営するクローンエイド(Clonaid)という名の会社の代表取締役(chief
executive)に就きます。 |
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ここからボワセリエ女史とクローン技術の接点らしきものが出てきます。記事によれば、ボワセリエ女史は、この会社で「10名からなるクローン作製チームを指揮監督しており」、このチームの「ある技術スタッフが3000個の牛の卵子を使ってクローン技術をマスターしたうえで、ボワセリエ女史の皮膚細胞をはじめとするヒトの細胞を用いたクローン技術を身に付けた」と述べています。また、「わたしの細胞を利用して作った胚がいっぱいある」のだそうです。Science誌の記事のタイトルが「....クローンの女王(Clone
Queen)」となっているのは、このことを意味しているのでしょうが、この女王とクローン技術との「深いかかわり(deepening involvement)」は、相変わらず明らかではありません。 |
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| 1: |
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代表取締役 = chief executive |
| 2: |
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ラエリアン教団 = the Raelian sect |
| 3: |
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クローンエイド社 = Clonaid |
| 4: |
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・・・・との深い関係/かかわり = deepening involvement
with・・・・ |
| 5: |
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10名のクローン作製チーム = a 10-person cloning team |
| 6: |
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クローン(作製)技術 = the cloning technique |
| 7: |
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まじめな学生 = a conscientious student |
| 8: |
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研究主任/総責任者 = a research director |
| 9: |
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宇宙人 = extraterrestrials |
| 10: |
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XY大学から化学博士号を取得している
→ hold chemistry Ph.D.s from XY University |
| 11: |
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ラエリアン教団とその教義・・・・に傾倒する
→ embrace the Raelian sect and its belief that・・・・ |
| 12: |
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大学は、すんでのところで彼女を正職員に採用するところであった
→ the university almost hired her for a permanent post. |
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“There are plenty of embryos of me,”Brigitte
Boisselier says.
(「わたしの細胞を利用して作った胚がいっぱいあるわ」とボワセリエ女史) |
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