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この短信欄でも、高校生の理科離れを防ぐための対策の一環として理科の授業を国立研究所内で行うドイツの試みを報じたNatureのニュース記事(→高校生の理科離れを防ぐためのドイツの試み)や大学が夏休みなどを利用して研究室を理科に興味のある高校生に開放するように提言するNatureの巻頭論説(→高校生の理科離れを防ぐために大学は門戸を開け)を紹介しました。 |
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Science誌9月27日のNews of the Week(今週のニュース)には「大学学部の生物学の授業に100万ドル(1億2千万円)の奨励金」というタイトルの記事が載っていました。これは生物学研究の分野では米国で最大の民間研究助成金提供団体であるハワードヒューズ医学研究財団(Howard
Hughes Medical Institute)が、「時代遅れで、個性がなく、退屈である」といわれている理系大学の学部レベルの授業、特に生物関係の授業の活性化を目的に、「米国でトップクラスの生物教授20名に4年間にわたってそれぞれ計100万ドル(1億2千万円)の奨励金を提供する」と発表したというものです。高校生を対象にしたものではなく、直接理系大学の学部教育の改善を目指して民間の団体が資金(奨励金)提供します。研究者向けの研究助成金はあまた存在するのですが、この奨励金は理系学部の教育そのものあるいはその教育に携わっている教育者に対するものである点がユニークで、広い意味での理系の専門教育の質的改善を目指す動きといえます。
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このニュースによれば、「研究活動に比べて軽視されることが多い科学教育に対する関心を高めるために」、ハワードヒューズ医学研究財団は米国内の84の理系大学に対して学部生の教育に熱心な生物学教授を推薦するように要請していました。 |
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同財団の奨学金を受けたウィスコンシン大学のハンデルスマン微生物学教授は、そのお金で15名の学部生を自分の研究室に招き入れて研究活動を経験する機会をあたえる予定です。学部生を研究室に入れて面倒を見るのは余計な手間がかかりますが、ハンデルスマン教授は学生が自分の研究に活力をあたえてくれることを期待しています。同教授は、「学部生も創造的な研究者たりえることを常々感じていました。学生はよい質問を投げかけてくるし、我々のようにドグマに縛られていません」と述べています。 |
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同じくコーネル大学のロナルド・ホイ神経生物学教授は、財団の奨励金で「学部生に突然変異種の蚊の行動を研究させるのに利用する高速ビデオカメラとコンピュータソフト一式(約100万円)」を購入の予定です。同教授は、一種のマルチメディア・ラボを目指した教材の作成を計画中で、奨励金のおかげで「非常に意欲的な計画を一からスタートさせることができる」と述べています。 |
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イリノイ州のノースウェスタン大学のゴッドウィン化学教授も財団の奨励金が認められた一人で、同教授は特に少数派民族出身の学生向けの教育計画を立案中で、少数派民族の新入生のために夏休みを利用して化学実験の手法を学ぶための夏期ワークショップを計画しています。このワークショップでは、学生はさまざまな地点で土壌に含まれている鉛のレベルを測定し、これと鉛中毒の発生率との関係を調べます。夏期ワークショップを終了した学生には、さらに研究を深めるための研究費を受けたり、学生研究指導員(student
mentor)としての訓練を受ける機会があたえられます。 |
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財団のブランズ副理事長は、「奨励金を受けた教授の教育研究成果が高い評価を受けることができれば、この制度の目指す理系大学の学部教育の活性化という目的の推進につながる」と述べていますが、この奨励制度には、教育に力を注いでいる研究者の努力に報いようとする側面も伺えます。財団は奨励金制度の成果を評価のうえで、2006年に再度奨励金を提供するかどうかを決める予定です。 |
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