◆ プロフィール
有持 繁(ありもち・しげる)
昭和48年関西学院大学経済学部卒業後、神戸新聞事業社に入社。現在、同社取締役マーケティング室長。平成10年、神戸アスリートタウンクラブ調査研究部長。
神戸市は1999年、自分の身体に関心を持ち、自分の健康を自分で守ることのできるまちづくりを目指す「神戸アスリートタウン構想」をスタートさせた。神戸アスリートタウンクラブは、この構想を市民の立場から盛りたてていこうという目的で発足したNPO法人で、地域型のスポーツクラブに対する技術指導のほか、スポーツイベントの企画などを行っている。
市民の側からどのようにアスリートタウン構想を進めていくかを考えるべく行っている調査研究のなかで、神戸市のスポーツ資源にはどのようなものがあるかを調べたことがある。生活習慣病の予防のためにも運動を楽しむことが重要であり、地域にある公園がスポーツの資源になると結論づけた。しかし公園でスポーツを楽しむためには必要な指導者が不足している。正しいかたちで運動がなされないと効果が半減する。適切な指導者層が存在するかが大きな課題だ。そこで、150万いる神戸市民の中から指導者を育成し、必要なところへ派遣できないかという研究をしている。
今後はスポーツ、健康をテーマにまちづくりをやっていく中で実際に市民へ意識をどう浸透させていくかがテーマだが、近代スポーツの発祥の地である神戸には、近代スポーツを支える産業があったのではという発想から、昨年、アスリート産業都市研究会を作った。スポーツ産業を大きくとらえ、たとえば神戸にトップクラスの競技を見るために旅行をすることや、自分はスポーツをしないけれどもボランティアをして参加するということも産業だととらえ幅広く都市とスポーツのかかわりを考えていこうとしている。
私たちが目指しているのは健康づくりを楽しむプロジェクトだ。生活習慣を変えることは非常に難しいことだが、そうではなくて楽しみながら健康づくりができるわけで、構想を市民の立場から新たに問題提起をしていきたいと考えている。