健康を守るためには食事、運動が大切で、さらに人を取り巻く環境も重要だ。また、それらを考えていくことで神戸に新しい健康産業が生まれることにもつながっていくということが今日の話の中でわかった。会場から質問を。
 
 

 家森先生は食の健康協力店のお話をされていたが、禁煙のレストランを増やすことがまず大事ではないか。

 
   禁煙は疾病にとって明らかなリスクだ。食の健康協力店にはさまざまな目標値を設けている。禁煙や分煙への取り組みもその一つだ。県内2万6千軒のレストランのうち半数は早いうちに協力店にしたい。また、食塩の話で食塩の量は1日7ミリグラムまでと申し上げたが、1食あたり2.5ミリグラム以下を目安にすればいいと思う。
 
 

 食事と運動が大事であることは理解できるが、生活習慣の改善を継続させることは非常に難しい。何かいい方法はないだろうか。

 
   糖尿病の場合は、数十分歩くだけでも効果がある。患者さんに改善を強制しても効果がないということは経験上わかっている。あせらず少しずつ変えていくことが重要だ。
 
 

 減塩をするために、ふだんの食事でどのようなことに気をつければよいのか。

 
   食塩の量のことばかり考えると食事が楽しくなくなる。ナトリウムとカリウムのバランスが重要で、ナトリウムが多いと思ったらそれを打ち消すようなカリウム、すなわち野菜やタンパク質を摂取すればいい。
 
   最後にパネリストの方からひと言ずつどうぞ。
   
   現代は健康に関するさまざまな情報があふれる時代であるが、その一つひとつに惑わされないことだ。個人の体質を遺伝子解析などで明らかにし、病気になる確率の高い人たちに対して重点的に食事などで予防に関与していくことは大事だが、だれもが病気をおそれて食事を制限するということはあまりよくないと感じている。
   
   遺伝子によって自分の体質がわかるようになる時代になれば、自分に適した食事というものもわかってくる。それぞれの人が自分に合った食生活を楽しむことによって健康長寿をまっとうすることができれば、楽しいまちづくりが可能になる。
 
   すべてのエリアで健康を楽しめるまちにしていくためには公共空間が開放されることが大事だ。しかし、例えば市道に距離表示をつけること一つをとっても規制があってできないのが現状だ。健康づくりを目指す人のための社会資本を充実すべく提言をしていきたい。
 
   英国ではタバコの税金をものすごく高くしている。同様の考え方で英国の経済雑誌はファットタックスを提案していた。病気になりそうな食物には高い税金をかけて買うことを避けようとする考え方だ。
 神戸ではさまざまな新しい治療法が開発されつつある。これをもっとPRして、神戸に行けば病気が治る、健康になれるということを多くの人に知ってもらうことも大事だ。
 
   長寿を楽しむためには健康でないといけない。親からさまざまな遺伝子を受け継いでいるので病気にならないということは難しいが、自分たちが気をつければかなりの程度でその病気を予防することができる。
 神戸医療産業都市構想では、できるだけ皆さんが健康に生活できるための基盤的な技術を開発したいと考えている。それをうまく活用するのは市民の皆さんだ。神戸が日本で一番健康な長寿を楽しめるまちになれるようにぜひ協力をしていただきたい。