◆ プロフィール
新野 幸次郎(にいの・こうじろう)
昭和24年神戸経済大学経済学科卒業、昭和51年神戸大学経済学部長、60年同学長に。平成3年財団法人神戸都市問題研究所長、12年より同理事長。
日本は世界で最も長寿国になった。その高齢者を中心に健康を楽しむことが非常に重要な課題となっている。結核が非常に大変な死因の一つであったころ、結核療養をするなら神戸へ行くのがいいといわれていた時期があった。神戸に行けば元気になれるというイメージが持たれていたわけだ。神戸は今、先端医療研究都市になりつつあるが、先端医療だけでなく先進医療、市民の健康づくり進めることが今大きなテーマになっている。
健康を楽しむための条件を考えてみると、第1に、ある一定の生活水準が確保されていることが挙げられる。第2に、運動と生活習慣を確保していくことだ。あるときに無知と無為という文章を書いたことがある。生活習慣の改善が病気の予防にいかにいいかということを知ったとしても、実際に生活習慣を直す努力をせずに無為に過ごしては知識を持っても意味がない。第3は、食物について健康を維持できる選択ができること。第4は、住居で一定レベルが確保されて、生活環境が確保されていることだ。
このうち神戸はどういう条件を持っているかを考えてみると、まず自然が豊富ということだ。山が近くて登山会が多い。神戸には毎朝登山をしている人が2000人ほどいるという。また、小学校区ごとにスポーツクラブが作られつつある。健康食を基本にした企業も生まれつつある。神戸市北区にあるしあわせの村では年間40万人の宿泊客がある。先端医療産業の研究と観光を組み合わせて進めていけば新しい健康づくりができるまちになるはずだ。